「もっと考えろ」と言われて、どうしたら良いかわからなくなった経験はありませんか?
それは、当たり前の反応だと思います。
なぜなら、ほとんどの人が「考えるとはどういうことか、教わっていない」からです。
考えるということは目に見えないからわからない
例えば「テーブルを拭く」という行為であれば、手本を見せて簡単にやり方を伝えることができます。
しかし、考えるということは脳の中で行なわれている現象で、目に見えないため伝えることができません。
考えるということは誰も正確なメカニズムがわからないからわからない
脳科学の進歩が進んでいますが、まだまだ脳の「考える」メカニズムは解明されていません。
生きた人間の脳の中で何が行なわれているのかは、特殊な機械を使い観測する程度のことしかできず、刺激に対しどのように反応し、どのように記憶が想起され、どのように思考がなされるのか、わかっていません。
「こんなメカニズムで考えが発生しているんだよ」と誰も言えないので、考え方を伝えることができません。
考えるということは無数にあって、考えていると考えていないの違いがわからない
自分では考えているつもりなのに、考えろと言われる。
もっと考えろ、全然考えていないじゃないか、と指摘される。
それは、考えるということがどういうことなのか明確に定義されておらず、お互いが「考える」とはどういうことなのか共通認識ができていないことが原因です。
共通認識ができていないから「考えなさい」という一言では、具体的にどうしたら良いかわからなくなるのです。
例えば「テーブルを端から左右に動かしながら、手前から奥に向けて1行ずつなぞるように、ゴミを床に落とさないようにしながら拭いて、最後はゴミを巻き込んですくい取ってください」のような明確な伝え方ができません。
「考え方を教える」という人が教えてくれるのは大抵「考えた後の結果」でしかない
あなたに「もっと考えろ」と言う人が、考え方を解説して教えてくれたとします。つまり、考えが足りなかったときの正解の考え方です。
しかし、大抵の「考え方」の教えというものは、特定のパターンでのみ有効なフレームワーク(思考の型)だったりします。
情報の整理の仕方、見るべき視点(切り口)、それも大切です。
しかし「既に思考された後の結果」を解説されても、なぜそのフレームワークを選んだのかがわかりません。
それより知りたいのは、状況に対しどんな切り口でモノを見るのかという視点や、情報を整理する軸や、気付きとなる仮説を「見つける方法」ではないでしょうか。
「この人考えているな」と思う人の思考を見ると、瞬間的にその問題を解くための専用フレームワークを新たに産み出しているように見えます。
その状況だけに適したフレームワークのため、勉強して覚えたものを選んで適用しているわけではなさそうです。
それって、考えているっぽい気がしますよね。
考えるということの正体を掴む手がかりは、考えている人のセルフモニタリングにある
では、そのように「考えているらしい人」が、一体どうやってそんな風に解を見出すのか、知りたいと思いませんか?
実は、当社ではそれを明確化し、当社の共通認識としての考える方法を確立しました。
その際に行なったことはシンプルで、コンサルタントの頭の中をセルフモニタリングし、脳内で何が行なわれているのかをメタ認知により観察し、言語化するという方法を採りました。
それを当社の皆が体得するために教材を作る過程で出会ったとある哲学者さんが執筆された書籍にあった考えることの定義や、考える際の脳の使い方とほぼ一致していたことから確信を深め、研修化し、以来当社の人気講座となっています。
当社は「考えること」を仕事とする小さなWebコンサルティング会社です。
上場企業、日系大手企業、グローバル企業、中央省庁に戦略策定や分析・課題解決のコンサルティングという、「考えて、解を出す」サービスを提供しています。
考えるのはコンサルタントであろうと、編集者であろうと、デザイナーであろうと同じです。当社のメンバーは皆考える力を求められますし、入社後も徹底してトレーニングが与えられ、日々の業務も考えることを求められます。
少し珍しいのは、「考える方法なんていう教わっていないものは、誰もわかるわけがないだろう。だから具体的にやり方を教える」というスタンスだということです。
大抵の人は、考える方法を生まれてこの方教わっていないし、会社が「考えなさい」と言うのであれば、考えるとはどういうことか明確にし、そのトレーニングを提供するのが当たり前だろうという考えです。
この考えに至るまで、様々な出来事がありました。どうしたらメンバーの考える力を伸ばせるのか試行錯誤を続け、そもそも後から伸ばせるものではないという意見にも出会い、一度はそれを信じ、しかし入社後2年で考える力が明らかに伸びていると感じるメンバーの思考力の成長も感じ。
今の意見としては「人にはそれぞれの特性があるため得意不得意があるが、それでも伸びる素養のある人に対し、考える脳の使い方を教えれば人は伸びる」ということです。
もちろん人によって成長に時間が掛かる/掛からないという差異はあるでしょう。
それは、職場では程度によりますが、難しい面があります。教えてもできるようになるまで時間が掛かる人も居ますし、教えてもできるようになるかはわかりません。
しかし、私は思うのです。
もし「間違え」や「できない」ということがいくらでも許される安全な場所があって、全力で自分の限界をさらけ出して向き合い取り組めば、時間は掛かっても考える力は伸びるのではと。
そしてそれは、会社内ではダメなのだと思います。
なぜなら、会社というのは成果を出すためにお金を出して雇われている場であるからです。
いくら上司が「今はできなくても時間を掛けて成長してくれたらいいよ」と言ったところで、できなければ本人はやはり辛いのです。
そのために、考える力をトレーニングできる場所を作ることにしました。
当社内で実際に活用している社内研修を、外部提供開始します。Zoomオンラインでの研修・トレーニングサービスとして提供します。
コンサルティング会社という全員が考えることを求められる会社で「非常に汎用的な考え方」として通用している具体的な方法をお教えし、それを1つ1つ実際にトレーニングとして取り組んでいただきます。
考え方は、知ってもトレーニングを重ねなければ身に付きません。(既に体得している人は知識だけでも言語化という価値はあると思います)
人によっては、脳の普段使っていない部分がパンパンに疲れるような、そんな体験になるでしょう。
提供開始日は未定ですが、秋には提供開始できればと思います。
そんなに高額なものではなく、一般の仕事に悩む若手社会人や中堅ビジネスマン、さらには学生さんでも手が届く程度の金額を考えています。(一人1万円前後程度を想定)
内容は当社の専門領域(Webコンサルティング)ではないため、同業者さんでもウェルカムです。